クローバードリームライブ2019 第一部

2019年2月5日 カテゴリー:クローバードリームライブ


1月12日(土)草津市立 草津アミカホールにて、
第5回目となる「クローバードリームライブ2019」を開催しました。

会場には300名を超えるたくさんのお客様、立ち見も出て、熱気むんむんです。




司会進行は、四つ葉のクローバーの支援者であり仲間でもある、
ROOTコワーキングスペースを運営する、山崎いずみさん。




まずは、認定NPO法人四つ葉のクローバー、
理事長杉山の挨拶から。

 

今年の4月で設立6年目になります。
この5年間で、14人の若者が四つ葉を卒業していきました。
現在は6名が、シェアハウスで暮らしながら学校や仕事に行っています。
ボランティア活動を通じて施設退所後の支援の必要性を感じ、
福祉の「ふ」も知らない主婦が、ここまで来るには、心が折れそうになったことが何度もあります。
そんな苦労をきれいに忘れさせてくれるのは、
ご縁があって四つ葉に関わってくれた会員さん、支援者さん、スタッフ、そして若者たちでした。
年々格差を生む社会、親、大人たちに振り回されるのは子どもたちです。
理不尽な思いを抱えたまま、それでも逞しく生きていく子どもたちに、教えられることは多いです。
余りの悲惨さに大人がたじろぎ、見て見ぬふりをしたくなるときもあります。
でも見ないで、自分だけが良ければそれでいいのかと自問自答します。
自分が持っている力、与えられた使命があるならば、利益のためではなく、
自分の力を生きなければ、逆に私はこわいです。
ちゃんと見る、向き合う。
痛みや苦しさを感じる心を持ち続けながら、楽しさをあきらめない人間でありたい。
そして最後はみんなで笑いたいと思います。
それぞれが持っている力を生き始めたら、神様が助けてくれると思います。
皆さま、今年も四つ葉の応援を、よろしくお願いします。



続いて、シェアハウス「夢コート」の施設長・池上が、
四つ葉のクローバーの活動内容などを紹介。
池上、いつになく?カッコよく決めてます~!



そしていよいよ、第一部「トークセッション」の開始です。
今回、パネラーとして登壇するのは、シェアハウスの卒業生、
社会人として働く、富田智志君と小林勇次君の二人。





トークセッションを進行するのは、
森本京都橘大学発達障害学部教授(右)。
ゲストパネラーは、
ACHAプロジェクト代表の山本昌子さん(中央)。
そして、杉山(左)も登壇しました。

最初に、富田智志君がマイクを持ち、語り始めました。

整備士になる夢をいつか叶えたい



6人兄弟の4番目のボクは、幼いころ父親が亡くなり、
母親が一人で自分たちを育ててくれました。
でも、その母親が病気になってしまい、
児童養護施設に入所しました。

ボクは、小学生のころからいじめにあっていたのですが、
中学生になってまた再びいじめにあい、不登校になりました。
児童養護施設では、人と話をすることが苦手なボクに、
職員の方が本気で叱ってくれて、コミュニケーション力をつけてくれました。
児童養護施設で、四つ葉のクローバーを紹介してもらい、
高校卒業後に入所しました。

一つ一つ言葉をかみしめるように、そして時折、
言葉を詰まらせる富田君に、会場は静まります。



森本先生からの質問
「四つ葉にいた頃はどんな生活でしたか?」
富田君
「朝、起きるのが苦手で、今、隣にいる小林くんによく起こしてもらいました」
小林君
「ドアに鍵がかけられるのですが、毎日起こしに行くので、
もうドアに鍵をかけるなと言って、毎朝、ドアを開けて起こしに行きました」


ボクには自動車整備士になるという夢があって、
アルバイトをしながら、専門学校に通いました。
そして、10カ月で四つ葉を退所して、一人暮らしを始めたのですが、
だんだんしんどくなって、体を壊し、学校に行けなくなりました。
四つ葉のみんな(職員)から反対されたのに退所したので、
SOSも出せず・・・精神科を受診して「双極性障害」と診断されました。

その後、車の販売会社に勤めたのですが、また病気が再発して・・
正社員ということがプレッシャーになったのかも知れません。

森本先生からの質問
「今、もし、四つ葉にいたころの自分に会えたら、なんて言いたいですか?」
富田君
「(退所するのを)ストップするように言いたいです」
森本先生
「富田君は、四つ葉の職員の言うことを聞いて、出ていかなかったら良かったと
思っているようですが、小林君はどう思いますか?」
小林君
「でも、あの時、四つ葉を出たから病気のこともわかったので、
 自分の思いを貫いたから、それはそれで良かったんじゃないかと思います」
森本先生
「杉山さんは、いかがですか?」
杉山
「四つ葉は、失敗してもいいところなので、
いつでも帰って来て、やり直しができるところです」



最後に一言富田君。

いろいろな人に支えてもらって今があるし、
やはり、整備士になりたいという夢があるので、
いつか、その夢を実現させたいと思っています。


次に、小林君がマイクを持ちました。

自分たちのような子が近くにいることを知って欲しい。





僕は草津で生まれました。まさに、ここですね。
小学校3年の時に母が再婚して、その義父に虐待されました。
小学校、中学校と学校でもいじめにもあっていたのですが、
家の方がもっとすごかったので、学校のことはどうでも良かったです。
それくらい、義父からの虐待がすごかった。
でも、中学の時に先生に言っても助けてはもらえなかったです。



義父を殺したいと思ったことも何度もありました。
恐怖の毎日で、自殺も、何度も考えました。でも、「死んだら負けや」と思って、
死ぬくらいなら義父を殺す方が良いと、中学の時、完全犯罪を考えたのですが、
うまくはいかなかったです。
うまくいかなくてよかったですけど(笑)

高校2年の時に、母が病気で亡くなりました。
亡くなる時、「男を見る目がなくてごめんな」と謝ってくれました。
でも、その時に謝られても。母も、どうすることもできなかったんだと思います。

母が亡くなってから、ボクは叔父の家にやられました。
叔父にはアルバイトしてお金を入れないと家に置かないと言われ、
お金を入れないと、義父のところに返されました。
血のつながりのある叔父でさえそんな感じなので、
義父のところに戻ってきても同じです。自分の食べる分は自分で稼げと。
結局、義父から追い出されてホームレスになりました。

高校の先生に相談して、四つ葉に来ることになったのですが、
ほっとした、ということはなかったです。
大人を信用してなかったので、自分の殻に閉じこもっていました。
でも、同じ境遇の人が四つ葉にはいたので、
だんだん、しゃべれるようになれたと思います。




森本先生からの質問
「今、社会人として働いてみて、しんどくなったときはありましたか?」
小林君
「義父からひどい虐待を受けていた時、気づいても訴えても誰も助けてくれなかった。
その経験があるから、大人をまだ信用できないし、人の気持ちを読んでしまう。
それで、しんどくなる。そういう時は、四つ葉に帰って、
職員に話を聞いてもらっています」
森本先生
「なるほど、しんどくなった時に話せる場所、人がいて、自分を取り戻し、
 今があるということですね。四つ葉に期待していることは?」
小林君
「虐待を受けてきたから、自立に対して不安が大きい。
うまくいかなかったらどうなるのとか、
社会に飛び出して行って無理だったらどうしようとか。
そういう時に四つ葉に戻って、自分を見つめて、再チャレンジできる、
そういう場所であって欲しいです」
森本先生
「杉山さん、小林くんの話を聞いてどうでしょうか?」
杉山
「皆さん、聴いていてお分かりだと思いますが、
小林君は頭の回転も速いし、しっかりした子です。
今は、ちょっとふっくらしていますけど、
初めて四つ葉に来た時は、ガリッガリでした。
社会人になって落ち着いてくれて、本当に良かったです」





働き始めて、常識的なことができていないことに気づきました。
たぶん、普通の家庭で育ったなら、普通にできることだと思うのですが、
それが、自分にはできてなかった。今さらながら気づきました。

ボクは、信頼できる大人と出会えて良かったです。
虐待されている子は自分から大人に相談することもできないし、
そういう子はきっと近くにいると思うので、手を差し伸べてあげて欲しいです。



森本先生
「実際に社会に出てからわかることと、四つ葉にいてわかることは違う。
お二人のお話をうかがって、四つ葉の若者は、行きつ戻りつつも、
確実に前に進んでいる。少なくとも前を見ている。
そういうことが伝わってきました。
そして二人とも、大変しんどい子ども時代を体験している。
けれど、彼らの苦しみを見つけ出して救出してくれた大人がいること
そして、ともに生活することを通して信頼できる大人との出会いがあったのですね。
山本さん、二人のお話を聞いて、いかがでしたか?」




山本昌子さんは、生後4カ月で乳児院に預けられ、
2歳から18歳まで児童養護施設で育ちました。
福祉の専門学校を出て、現在は保育士として働く傍ら、
自分と同様に児童養護施設で育った人たちに、
成人式の写真をきれいな振り袖姿で撮ってあげるという、
プロジェクトを立ち上げ、その代表をされている方です。

四つ葉のクローバーの夏の風物詩「バーベキュー」に参加して、
何やら、衝撃?感動?されたのだそうですよ。




山本さん
「みんなが人の話を真摯に聞いている姿とか、
自分の言葉で1人ずつ喋ることや、何より、
職員も子どもたちも、対等だったことが印象的で、
凄く驚きましたし、感動しました」



第一部の、トークセッションが終わろうとしているとき、
客席から、ステージに駆け寄る人がいました。
杉山が気づいて近寄ると、色紙の入った額を二つ手渡しました。
にっこり笑顔になる杉山、そして、手渡された額をしげしげと眺め、
トークセッションに登壇した、二人の若者を呼びました。

支援者の方が、二人のために色紙を描いてくださったようです。
それぞれ、智志、勇次、と名前を大きく書き、下に、
温かなメッセージが書き込まれていました。


    

読み上げながら、二人に色紙を渡す杉山。

    
突然のことに戸惑いながらも、感謝と感動で涙ぐむ3人。
成り行きを見守っていた会場からも、温かい拍手が~

二人に送られた色紙です。
  




後ほど、二人並んで写真を撮りました。
温かい拍手と色紙は一生の宝物になるでしょう。
二人を応援してくれる、支援者の皆さんに感謝致します。
      
               第2部もお読みください。