NPO法人四つ葉のクローバー 設立記念フォーラム 守山交流センター

2013年6月30日 カテゴリー:お知らせ

「居場所のない子どもたち、希望を求めて」
 ~虐待、ネグレクトを受けた子どもの心の叫び  を聞いて下さい~
設立記念フォーラムでは東京のアフターケア相談所「ゆずりは」所長の高橋亜美さんに基調講演を行って頂きました。
児童養護施設等退所者の生き辛さや支援の難しさをお話くださり、ある少年の詩を朗読されました。
総勢220名の来場者が来て下さいました。

「嘘つきと呼ばれた少年の話」 高橋亜美

僕は嘘つきだと云われて育った
両親からも学校の先生からも友達からも  皆僕を嘘つきと呼んだ…
気付くと僕は嘘をついていた
自分の口が違う人の口になったように嘘が次から次へとスラスラとでてきた
「こんな嘘云ってどうするんだ、その嘘のためにまた大きな嘘をつかなくちゃならないんだぞ」
と僕は僕につっこみながら、でも嘘をつくことは止められなかった
僕の一番幼い日の記憶は5歳の頃のこと
お父さんとお母さんと僕の3人で飛行機に乗ってアメリカを旅行したこと
でもそれは僕の中で作り上げた幻想だったと小学校2年の時初めて知った
旅行のこと友達に話したら「どうせまた嘘だろ!」って云われたから、お母さんに聞いたんだ
「お母さん、僕が5歳の時家族3人でアメリカに行ったよね?!」
「はぁ?アメリカどころか家族で旅行なんて一度だってないよ。あと3人って誰のことを言ってるの?」
「お父さんとお母さんと僕の3人だよ!!」
「お父さん?お父さんはお前が生まれる前に家を出て行ってるんだ!お前はお父さんを見た事も会った事もないんだよ」
アメリカ旅行は僕の中でたった1つ嘘じゃない出来事だったのにそれも嘘だった
アメリカ旅行はたった1つのお父さんと過ごした記憶だった
アメリカ旅行はたった1つの家族で過ごした僕の楽しい思い出だった
自分が自分に嘘をついていたことに僕は何年も気付くことが出来ず愕然とした
僕にとって家は自分を閉じ込めて生きなければならない場所だった
いつだってお母さんは怒っていたなぁ。怒ってる顔しか思い出せないなぁ
怒って僕を叩いたり、殴ったり、蹴ったり、裸にしてベランダに一晩中正座させたり、パンツだってはかせてもらえなかった、トイレだって行かせてもらえなかったよ…それは毎日毎晩のことだった
地獄があるのならこんなふうなのかな、僕ん家よりは地獄の方がいいよね?神様…
叩かれながらそんなことをいつも思っていた
腫れ上がった顔で学校に行くと友達は皆びっくりして心配してくれた
でも友達にはお母さんに殴られたなんて絶対に言えなかった、言いたくなかった。何でだったのかな小学1年生の僕のプライドだったのかな。お母さんが僕を傷つけることを僕は認めたくなかったのかな
先生、先生にも言えなかった。でも先生には気付いてほしかった。
「先生僕にもっといろんなことを聞いてよ、僕からこの腫れ上がった頬の理由を聞き出してよ、先生にしか今の僕を助けられないよ、先生僕の家は地獄だよ、先生助けて、先生助けて」
心の中で僕は叫んでいた、いつもいつもいつも
でも僕は声にして「助けて」とたったの一度も言えなかった。僕の口から出る言葉は嘘ばかり
そして先生は僕を叱る。「何で嘘ばかりつくんだ、嘘だけはつくな!」「嘘をついたら誰も君を信じてくれないぞ!君を大切に思ってくれないぞ!」
そうなると僕は先生に酷い言葉を言ってしまう、暴れてしまう。席に座って授業なんて聞いていられなかったよ、自分が自分でコントロール出来なくなるんだ。
僕の口から出ることは嘘だけだった
嘘は僕の抱く幻想、唯一の逃げ場だったからだろうか
僕のおかれた現実では決して起こることのない嘘をつくことで、僕の世界が一変することを心のどこかで求めていたからなのか
引っ込みのつかない嘘をつき親や先生に叱られ、ときに罵倒され、友達には呆れられ見放されていった
それでも僕は嘘をつくことが止められなかった
嘘をつくことを止めることが怖かった
だから小さい頃の僕を知っている人は皆僕のこと、「嘘つき」としか覚えていないよ
嘘ばっかりついてる奴がいたなぁって、何かあるとすぐキレる奴がいたなぁって
僕自身も小さな頃の記憶は「僕は嘘つきだった」ってことしか思い出せない」
高橋亜美さんの詩の朗読中、会場からはすすり泣きが聞こえました。
彼のその後は、残念ながら今も暗闇を抱えて苦労しているとのこと。
高橋さんたちが必死に関わってくださったにも関わらず、それだけ少年の闇は深かったというお話に胸が潰れる思いでした。

「子どもが子ども時代にしなければならない思いっきり大切なこと12こ」

1 思いっきり笑うこと
2 思いっきり泣くこと
3 思いっきり怒ること
4 思いっきりドキドキすること
5 思いっきり食べること
6 思いっきり遊ぶこと
7 思いっきり歌うこと
8 思いっきり好奇心を持つこと
9 思いっきり友達とケンカすること、そして仲直りすること
10 思いっきり大人に大切なこと・正しいことを教えてもらうこと
11 思いっきり大人に優しく大切にされること
12 思いっきり思いっきり思いっきり愛されること
大切なこと12こは、子ども自身の力ですることではなく、私たち大人が子どもたちに保障していかなければならないことです。まっさらで柔軟な子ども時代に、人間が本来もっているシンプルな軌道を体と心に作っていくことが何よりも大切で不可欠なことだと思います。私たち大人がぶれないように、見失わないように…  
いつだって自身の心に確認していきましょう。
高橋亜美
来賓ご挨拶 守山市長 宮本和宏様
市長も応援に駆けつけてくださり、温かなエールを頂きました。
代表 杉山真智子 緊張マックスです。

パネルディスカッション

「社会の子どもが幸せになるために私たちができること」
パネラー
高橋亜美氏
打田絹子氏(児童養護施設 鹿深の家施設長)
黒田啓介氏(滋賀弁護士会)
宮澤美紀氏(当事者)
小川泰江氏(当NPO法人理事)
コーディネーター 山口浩次氏(大津市社会福祉協議会 地域福祉課長)
H25年9月、四つ葉のクローバー運営資金及び若者就労支援のための餃子屋竹の子をオープンさせました。
児童養護施設等で育たなければならなかった子ども達の多くは、虐待のトラウマを抱え、退所後も引き続き親や家族を頼ることもできず、周りに相談する人がいない場合など、自らが働き続けなければすぐに生活が破綻してしまう恐れがあります。
私たちは住まいを安価で提供するだけでは何の支援にもならないことの重要さを常に考えて若者たちと向き合っています。